名問の森


https://amzn.to/2Fxt4KE
(Amazonへ)

https://amzn.to/2QCRFnv
(Amazonへ)

名問の森物理 力学・熱・波動

値段1,000円+税
ページ数224ページ
出版年初版2000年

名問の森物理 波動Ⅱ・電磁気・原子

値段1,000円+税
ページ数223ページ
出版年初版2000年
物理が苦手な文子
「物理のエッセンス」,「良問の風」の次に来るのがこの「名問の森」ね。このシリーズの最後なので,やっぱり難しいのかしら。
物理が得意な秀樹
一般的にはそう考えるのが妥当だね。難易度の面も含めて,内容を見ていこう。

なぜ「名問」の「森」なのか(最初の部分の抜粋)

 物理の実力を伸ばすには・・・何より基本を大切にすることです。そして,いろいろな問題に出会って理解を深めていくことです。この本は,すでに基本を身につけ,素直な問題までは終えていて,しっかりした入試問題で腕を磨きたい人を対象にしています。
 ただ,入試問題は数限りなくあります。一方,皆さんの時間は限られています。そこで,できるだけ良い問題に取り組みたいのです。良問とは,理解を深め,視野を広げてくれるもので,それ1題で何題分もの大きな効果をもたらしてくれるものです。また,「こんな見方もあったのか!」とか,一見複雑に見える状況が,快刀乱麻を断つがごとく解決されて,感動を覚えるものです。

物理が苦手な文子
やっぱり,すでに基本を身につけた人が対象だと書いてあるわね。
物理が得意な秀樹
そういうことになるね。こんなふうにも書かれているよ。

基礎力がしっかりしていない状態で,この本にとりかかるのは無謀としか言いようがありません。まず,「物理のエッセンス」(河合出版)などで学力を整え,「良問の風」(河合出版)のような標準的な入試問題を経てから挑んでみて下さい。

物理が苦手な文子
基礎力がないと「無謀としか言いようが」ないのね。かなりレベルの高い問題集なのね。
物理が得意な秀樹
自分のレベルに合わせた問題集に取り組もう,ということだね。

目次 力学・熱・波動Ⅰ

力学

放物運動
剛体のつり合い
運動方程式
エネルギー保存則
保存則
慣性力
等速円運動
円運動
円運動・単振動
単振動
万有引力

比熱・熱容量
気体の法則
分子運動論
熱力学

波動Ⅰ

波の性質
反射・定常波
弦の共振
弦と気柱の共鳴
波の式
ドップラー効果
反射・屈折の法則
レンズ
光波

目次 波動Ⅱ・電磁気・原子

波動Ⅱ

波の干渉
光の干渉

電磁気

静電気
コンデンサー
直流回路
電流と磁場
電磁誘導
交流の過渡現象
交流
電磁場中の粒子

原子

光の粒子性
X線管・物質波
原子構造
原子核

物理が得意な秀樹
2分冊になっていて,できるだけ同じくらいのページ数にしたかったんだろうね。波動の分野が分かれているね。
物理が苦手な文子
「波動分野だけ勉強したい」っていう人にとっては2冊とも買わなきゃだめだけど,あんまりそんな人はいないかな?
物理が得意な秀樹
「波動分野だけ」っていう人はあんまりいないだろうし,いたとしても2冊とも買うか,別の問題集にするか,自分で考えてっていうことだろうね。目次としては力学の後半が特徴的だね。特に円運動は「等速円運動」,「円運動」,「円運動・単振動」と3つも項目があるね。
物理が苦手な文子
それぞれ何が違うの?
物理が得意な秀樹
普通の問題集だと「円運動」という1つの項目にするんだろうけど,「等速円運動」と鉛直面内を運動するような「非等速円運動」を分けたかったんだろうね。ただ,問題数で言うと,円運動の合計より単振動の方が多いんだけどね・・・

運動方程式の立て方

ma=F
 m:注目物体の質量
 a:地面に対する加速度
 F:注目物体が受けている力,すべての合力
※本来はm\overrightarrow{a}=\overrightarrow{F} つまり合力 \overrightarrow{F} の向きに加速度 \overrightarrow{a} が生じる。

物理が苦手な文子
「名問の森」は基礎ができている人のための問題集だから,運動方程式の説明はシンプルね。
物理が得意な秀樹
最後にベクトルで説明しているところも上級者向けという感じだね。

運動方程式を使う最初の問題

 質量m〔kg〕,長さl〔m〕の伸び縮みしない一様な綱の下端に,質量M〔kg〕のおもりPをつるし,綱の上端に一定の大きさの力F〔N〕を鉛直上向きに加えて引き上げる。重力加速度をg〔m/s2〕として,F>(M+m)gとする。
(1) Pの加速度を求めよ。
(2) Pに働く綱の張力を求めよ。
(3) 綱の上端からx〔m〕のところでの綱の張力を求めよ。ただし,0≦x≦lとする。
(4) はじめ,Pは地上で静止していたとする。鉛直な綱の上端にF=2(M+m)gの力を加えて引き上げたところ,Pが地上h〔m〕の高さに達したとき綱からはずれた。Pが引き上げられ始めてから地上に落下するまでの時間を求めよ。

物理が苦手な文子
あんまり見たことのない問題だけど・・・
物理が得意な秀樹
ときどきあるタイプの問題だよ。糸で物体を引っ張る問題では,通常糸の質量は考えないけど,この問題では綱なので,綱の質量を考えなきゃダメなんだね。
物理が苦手な文子
その時って,(3)の問題にもあるけど,綱の位置によって張力が違うっていうこと?
物理が得意な秀樹
そういうことになるんだ。やっぱり基礎ができていないと難しい問題だね。
タイトルとURLをコピーしました