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■気体分子の運動エネルギーは絶対温度に比例する
最初の空欄は,気体分子の平均運動エネルギーが絶対温度に比例するか,反比例するかを考える問題ね。
温度が上がると,気体分子は速くなるのよね。だから,反比例ということはないでしょ。
まぁ反比例ということはないよね。選択肢を考えると”比例”しかありえないね。「温度が上がると気体分子は速くなる」っていうことはもちろん大切なんだけど,できればもっと正確に,
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なんとなくは覚えているんだけど,絶対温度に比例するのが「速さ」なのか「運動エネルギー」なのか分からなくなるのよね。
そうだね,紛らわしいよね。ポイントは内部エネルギーと絶対温度の関係を思い出すことなんだ。
その通り。単原子分子理想気体のときの関係式は分かる?
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いいね。単原子分子のときの係数は
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と決まっていて,単原子分子じゃないときは係数は変わるけど「内部エネルギーは絶対温度に比例する」っていうのは変わらないんだね。
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内部エネルギーが絶対温度に比例するということは,運動エネルギーが絶対温度に比例するって言ってもいいの?
そうなんだよ。理想気体の内部エネルギーは,すべての気体分子の運動エネルギーの和と考えるんだ。できれば,次の関係式も覚えておくといいね。
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左辺が運動エネルギーで,右辺の
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は定数なので,運動エネルギーは絶対温度に比例するっていうことを表しているんだ。
■気体分子の運動エネルギーは気体の分子量によらない
あまり使う機会がないからね。次の空欄は気体分子の平均運動エネルギーが,分子量とともに大きくなるか,分子量によらないかを選ぶ問題だ。
今までの話を考えると,分子量によらない感じがするけど,そもそも運動エネルギーは質量に比例するから,分子量とともに大きくなる感じもするわ。どう考えればいいの?
確かに迷うよね。でもさっき書いた
![Rendered by QuickLaTeX.com \frac{1}{2}m\overline{v^2}=\frac{3}{2}kT](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-d84d8fc7fa9690ed81d2aed880e31565_l3.png)
のとおり,運動エネルギーは絶対温度に比例して,しかも気体の分子量によらないんだよ。
![Rendered by QuickLaTeX.com \frac{1}{2}m\overline{v^2}](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-f83ce55062d1fb1eed81d4f2f330dc52_l3.png)
の
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は関係ないの?
温度が決まってしまえば
![Rendered by QuickLaTeX.com \frac{1}{2}m\overline{v^2}](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-f83ce55062d1fb1eed81d4f2f330dc52_l3.png)
も決まるんだ。つまり,
![Rendered by QuickLaTeX.com m](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-32e4e2684e74cd8a0a2d3582e4804de8_l3.png)
が大きければ
![Rendered by QuickLaTeX.com \overline{v^2}](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-e2292ddf9419e61fbf6fcb546befe030_l3.png)
が小さくなるんだよ。
そうか。同じ温度だと質量の小さな分子は速くて,質量の大きな分子は遅いっていうことね。
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その通り。分子量によって速さは変わるけど,運動エネルギーは変わらないんだ。
気体分子の平均運動エネルギーは,分子量によらないっていうことがわかったわ。ということは,最後の空欄はヘリウムとネオンではどっちが速いかという問題だから,質量が小さいほうが速いということね。
これは覚えていないとできないね。なんとなくわからないかな?
ネオンはよく分からないけど,だったらヘリウムは軽そうね。
そうだね。ネオンよりもヘリウムのほうが軽いんだ。ちなみに分子量は,ヘリウムが4で,ネオンは20だ。ヘリウムのほうがずっと軽いということだよ。
つまり,ヘリウムのほうが速いっていうことね。あっ!問題を見ると,アとイの空欄が分かれば,ウの空欄はネオンの方が速いという選択肢がなかったわ。
そうだったね。分子量が分からなくてもできたんだね。答えは①だ。