センター2019物理第3問B「音源が単振動するドップラー効果」


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三角関数のグラフを確認する

物理が苦手な文子
求めたいのは図5のグラフの関係式ね。コサイン(cos)のグラフに見えるけど,選択肢はすべてサイン(sin)の関係式だわ。
物理が得意な秀樹
そうなんだよね。でもまずはコサイン(cos)で表してみようか。縦軸がxで,振幅がaで,角度が\thetaだとすると,どんな式になるかな。
物理が苦手な文子
角度が\thetaでいいの?だったら,x=a\cos\thetaでしょ。でも問題文のどこにも\thetaが無いわよ。
物理が得意な秀樹
そうだね。グラフの横軸は時刻なので,時刻tと角度\thetaの関係が分かれば答えはでそうだよね。そこで,角振動数\omegaを使うんだ。
物理が苦手な文子
さらに新しい文字を使うの?
物理が得意な秀樹
そうなっちゃうね。\omegaは単振動の分野では「角振動数」と呼ぶけど,円運動の分野では「角速度」って呼ぶんだ。どちらも単位は「〔rad/s〕ラジアン毎秒」で,分野によって呼び方が違うだけで物理的には同じなんだ。だから使える公式も同じだよ。確認しておこう。
物理が苦手な文子
なるほど。「コサインオメガティー(cos\omega t)」という響きは聞いたことがあるわ。
物理が得意な秀樹
そうでしょ。さらに円運動や単振動で使う公式を使って,角振動数\omegaを周期Tを使って表すと,

グラフを移動する

物理が苦手な文子
少し選択肢に近づいてきたわね。でも選択肢はサイン(sin)なのよね。
物理が得意な秀樹
次は問題のグラフとサインのグラフを比較してみよう。この赤いグラフを式で表すとどうなるかな?
物理が苦手な文子
サイン(sin)のグラフだから,こうね。
$$x=a\sin\frac{2\pi}{T}t
物理が得意な秀樹
そうだね。そのグラフを移動して,コサイン(cos)のグラフにするんだ。
物理が苦手な文子
サイン(sin)のグラフを左に\frac{1}{4}Tだけ移動するとコサイン(cos)になるわね。
物理が得意な秀樹
ただ,\frac{1}{4}Tというのは時間だよね。なので,時間を左に動かすのを間違えないでね。
物理が苦手な文子
時間を動かすって,こういうこと?
$$x=a\sin\frac{2\pi}{T}\left( t+\frac{1}{4}T\right)
物理が得意な秀樹
そう,あとはカッコの中に入れよう。
物理が苦手な文子
こういうことね。
$$x=a\sin\left( \frac{2\pi t}{T}+\frac{\pi}{2}\right)
物理が得意な秀樹
そうだね。答えは④だ。

グラフと音源の運動を対応させる

物理が苦手な文子
ドップラー効果では,近づいてくるときに音は高く聞こえるのよね。
物理が得意な秀樹
その通り!なので,グラフと音源の位置関係を確認しておこう。
物理が苦手な文子
分かりやすくするために色を付けたのね。ということは,一番近いピンク色のSのときが音が高いのね。
物理が得意な秀樹
いやいや違うよ。近づいてくる速さが速いときに出した音が高く聞こえるんだ。
物理が苦手な文子
そうか,単振動での両端は速さが0だったわね。真ん中が一番速いのね。
物理が得意な秀樹
その通りだ。速さが最大で,近づいてくるのか遠ざかるのかはグラフで確認しよう。
物理が苦手な文子
Pはピンクから緑に動く途中なので左向きで,Rは緑からピンクに動く途中だから右向きということね。近づいているのはRのときね。
物理が得意な秀樹
そういうことだね。答えは③だ。
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