センター2016物理第1問 問4「運動量保存の法則と相対速度」

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物理が得意な秀樹
相対速度を求める問題だね。相対速度って何なのか分かっているかな?

物理が苦手な文子
 動いている観測者から見た物体の速度よね。Aに対するBの相対速度v_{AB}は、v_{AB}=v_{B}-v_{A}となるんだよね。

物理が得意な秀樹
その通り。ということは打ち出した後の物体Aの速度が分かればいいね。この問題では、1つにくっついていた物体が、2つに分裂しているね。このような場合、まず何を考えるか分かるかな?

物理が苦手な文子
 確か、2つの物体が衝突したり、2つの物体が1つに合体したり、1つの物体が2つに分裂したりするときは、「運動量保存の法則」を使うんだったと思うけど。

物理が得意な秀樹
そうだね。じゃあまず「運動量保存の法則」を使って式を立ててみようか。図のように、衝突後の物体Aの速さをVとするとどうなるかな?
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物理が苦手な文子
 ちょっと待って。Vでいいの?-Vじゃないの?

物理が得意な秀樹
なるほど。確かに問題に左向きの矢印が描いてあるし、どう考えても左に動くよね。そういう意味では-Vと書いてもいいんだ。ちゃんと理解していればどっちでもいいんだけど、おすすめはVかな。あくまでも図に書くのは”大きさ”で、”向き”は矢印の向きで表すんだ。そして式を立てるときにVにするか、-Vにするかを矢印の向きに合わせて書けばいいんだな。

物理が苦手な文子
 その方がいいの?

物理が得意な秀樹
この問題のように一直線上の動きなら問題ないけど、平面の動きだともう正負で向きを表せないからね。だからあくまでも図に書くのは”大きさ”と決めておいた方がいいと思うよ。

物理が苦手な文子
 なるほどね。じゃあ、「運動量保存の法則」の式は・・・

物理が得意な秀樹
そうそう、運動量はどう表されるか分かってる?

物理が苦手な文子
 mvよね。

物理が得意な秀樹
そうだね。あともう一つ大事なことがあって、運動量はベクトルなので向きをちゃんと考えてね。

物理が苦手な文子
 さっきから向きの話しをしてるから、さすがに注意するわ。

物理が得意な秀樹
ちなみにエネルギーには向きが無いから、力学的エネルギー保存の法則で式を立てるときには向きは考えなくていいんだよ。

物理が苦手な文子
 へ〜そうなんだ。あんまり考えたことがなかった。

物理が得意な秀樹
右向きを正として、「分裂前の運動量の和」=「分裂後の運動量の和」で式を立ててみよう!

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物理が苦手な文子
 分裂前は静止しているから、運動量の和は0ね。

    $$ 0 = M\times (-V) + m\times v $$

    $$V=\frac{mv}{M}$$

物理が得意な秀樹
いいね。じゃあ、相対速度を求めよう。こっちも向きに注意してね。

物理が苦手な文子
向きに注意すると、こんな感じかな。

    \begin{eqnarray*}v_{AB}&=&v_{B}-v_{A}\\&=&v-(-V)\\&=&v+\frac{mv}{M}\\&=&\frac{M+m}{M}v\end{eqnarray*}

物理が得意な秀樹
正解!なので、答えは④だね。