理論物理への道標


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理論物理への道標〈上〉―力学/熱学/力学的波動

値段2,000円+税
ページ数243ページ
出版年初版1999年

理論物理への道標〈下〉―光学/電磁気学/現代物理学入門

値段2,000円+税
ページ数283ページ
出版年初版1999年
物理が苦手な文子
結構歴史のある参考書ね。
物理が得意な秀樹
ここには書かれていないけど,大きさが一般的な他の参考書よりも大きくB5版だね。

「はしがき」より抜粋

 本書は,初等的な物理学(高校レベルの物理)の理論的な側面を明確に記述することにより,物理学の本質的な理解を図ると同時に,内容豊富な問題演習を通して確実な実力を養成することを目的としている。読者としては次のような人を想定している。
1.高校物理に飽き足らない人
 物理は数少ない原理から自然の本質を理解しようとする学問であると思っていたのに,高校で習う物理が天下り的で面白くないと不満を持っている高校生も多いだろう。高校物理の教科書は,分量的な制約と数学的な制約のために,自然の本質について必ずしも十分な説明がなされていない。本書では,物理学が数少ない基本原理からどのように論理的に構成され,自然現象の神秘を解き明かしていくかを,わかりやすく説明する。その際,高校で習う微積分はどしどし使う。高校で習わない微積分についていも,必要なものは,簡単な説明を付けたうえで使うつもりである。本来物理学と微積分は切っても切り離せない関係にある。
2.東大等最難関大学に合格する物理の実力をつけたいと考えている人
 物理の実力は,どんなによく書かれた解説を読んだりあるいは講義を聞いても,それだけでは身につかない。自ら自然現象を考察し,その本質を解き明かそうと努力することによって実力はつくのである。この現象はどういうことなのかと,昼夜を問わず考えをめぐらせ奮闘することが重要である。

物理が苦手な文子
かなり難しそうな参考書ね。
物理が得意な秀樹
「1.高校物理に飽き足らない人」にある通りだね。高校レベルの微積分は普通に出てくるし,さらに難しい微積分も使っているんだ。そのくらい余裕がある人向けだね。

目次〈上〉―力学/熱学/力学的波動

第1章 力学

1 運動を表現しよう
2 力について
3 運動の法則と力のつり合い
4 運動方程式から出発する
5 運動の保存則-運動方程式の積分-
6 万有引力の法則
7 ケプラーの法則
8 単振動とその応用

第2章 熱学

1 熱と温度
2 気体分子運動論
3 熱力学

第3章 力学的波動

1 波動という現象
2 いろいろな波動

目次〈下〉―光学/電磁気学/現代物理学入門

第4章 光学

1 光の反射と屈折
2 幾何光学
3 光の干渉と回折
4 光のいろいろな現象

第5章 電磁気学

1 静電場
2 ガウスの法則とコンデンサー
3 コンデンサー回路
4 直流回路と非線形抵抗
5 電流と磁場
6 電磁誘導
7 交流と電気振動回路

第6章 現代物理学入門

1 光量子論
2 前期量子論
3 X線回折とド・ブロイ波
4 金属,半導体,絶縁体
5 原子核と素粒子

物理が得意な秀樹
項目名もちょっと独特だね。大きくは高校物理の流れに沿っているけど,アプローチの仕方が違う感じだね。
物理が苦手な文子
やっぱり物理の勉強に余裕がある人向けね。

運動方程式を立て方

物理が苦手な文子
やっぱり「運動方程式の立て方」みたいな記述はないわね。
物理が得意な秀樹
運動方程式を立てられるのは当然ということだね。

運動方程式を使う最初の問題

 図1のように水平面に対して45°の角度をなす斜面上に質量Mの直角二等辺三角形の物体Aを斜辺の面が斜面が斜面と接するように置く。直角二等辺三角形の等しい2辺の長さをdとする。Aの上面に質量mで大きさの無視できる小さな物体Bを置く。斜面上に原点Oをとり,水平右向きにx軸,鉛直下向きにy軸をとる。はじめ,Aは上面がy=0となる位置にあり,BはAの上面の右端,すなわち(x,y)=(d,0)の位置にある。空気の抵抗および斜面とAの間の摩擦は無視できるものとする。重力加速度をgとする。
Ⅰ AとBの間の摩擦も無視できる場合に,以下の設問に答えよ。
(1) 図1のようにAの右側に水平左向きに力Fを加えたところ,2つの物体は最初の位置に静止したままであった。Fの大きさを求めよ。
(2) 力Fを取り除いたところ,AとBは運動を開始した。その後,BはA上面の左端に達した。この瞬間のBのy座標を求めよ。
(3) BがA上面の左端に達する直前のBの速さvを求めよ。

II 図2に示すようにA上面の点Pを境にして右側の表面が粗く,この部分でのAとBの間の静止摩擦係数および動摩擦係数はそれぞれμ,μ´(ただしμ>μ´)である。A上面の点Pより左側は,なめらかなままである。設問I(1)と同様に,力Fを加えて両物体を静止させた。力Fを取り除いた後の両物体の運動について,以下の設問に答えよ。
(1) μが十分に大きい場合,BはA上面を滑り出さず,両物体は一体となって斜面を滑り降りる。このときの両物体のx方向の加速度axとy方向の加速度ayを求めよ。
(2) μがある値μ0より大きければBはA上面を滑り出さず,小さければ滑り出す。その値μ0を求めよ。
(3) μがμ0より小さい場合に,Bが最初の位置(x,y)=(d,0)からA上面の左端に達するまでの軌跡として最も適当なものを図3(注:図3は省略しました)の(ア)〜(オ)の中から1つ選べ。ここでQ1,Q2,Q3はそれぞれ,Bの最初の位置,BがA上面の点Pに達した瞬間の位置,BがA上面の左端に達した瞬間の位置を表す。また,破線は直線y=xを示す。

[東京大]

物理が苦手な文子
いきなり東京大学の過去問なのね。
物理が得意な秀樹
2004年度の問題だね。このレベルの問題が普通に出てくる参考書だから,やっぱり物理の学習に余裕がある人向けだね。
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