センター2017物理基礎第1問 問5「水の状態変化と比熱」

 

スポンサーリンク

■状態変化は化学変化ではない

物理が苦手な文子
水の状態変化のよく見るグラフね。

物理が得意な秀樹
そうだね。最初の問題は熱を加えているにもかかわらず,区間Aや区間Bでは温度が上昇していないんだよね。その理由を選ぶんだね。

物理が苦手な文子
区間Aでは氷が水になって,区間Bでは水が水蒸気になっているのよね。

物理が得意な秀樹
その変化を「状態変化」って言うんだね。

物理が苦手な文子
それって,「化学変化」ではないわよね。

物理が得意な秀樹
そうだね。「化学変化」では化学式が変わるんだけど,氷も水も水蒸気もH2Oだから,化学式が変わるわけではないね。つまり「化学変化」ではないね。

物理が苦手な文子
あと,全体の分子の数が増えているわけではないわよね。

物理が得意な秀樹
加えたのは熱だけだから,分子の数は変化しないね。

物理が苦手な文子
ということは,温度が変化しない理由は「加えた熱量が分子間の結びつきを弱めたり切ったりするのに使われる」ということね。

■「比熱」の定義は大切!

物理が得意な秀樹
そういうことだね。次の空欄はグラフの傾きと比熱の関係についてだね。そもそも「比熱」って何か分かる?

物理が苦手な文子
熱を加えたときの,温度の上がりやすさ,みたいな感じ?

物理が得意な秀樹
比熱に関しては,できればきちんと説明ができるといいね。まぁ,説明できなくても,よく使う比熱を含む式が比熱を説明してくれているけどね。


物理が苦手な文子
なるほど。

■グラフの傾きが小さいほど比熱は大きい

物理が得意な秀樹
この比熱の定義から,グラフの傾きと比熱の関係が分かるかな?

物理が苦手な文子
1gの物質があったとして,比熱が大きいということは,温度を1℃上昇させるのに必要な熱量が大きい,ということね。

物理が得意な秀樹
そうだね。

物理が苦手な文子
逆に同じ熱量を加えたとすると,比熱が大きいということは,温度の上がり方が小さいということになるわね。

物理が苦手な文子
いずれにしても,このグラフでは,傾きが小さい方が比熱が大きいということになるわね。

物理が得意な秀樹
その通りだ。ということは,グラフの傾きが液体状態のときの方が小さいので,比熱は大きいから,答えは①だね。ついでに式を変形して考えてみると,

物理が苦手な文子
グラフの傾きと比熱は反比例の関係にあるということね。

物理が得意な秀樹
そういうことなんだ。

 

タイトルとURLをコピーしました