「鉛筆」を科学的に見た3つの疑問

身の回りのものを科学的視点(科学的ではない疑問もありますが・・・)で見てみましょう

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1.鉛筆はなぜ書けるのか

 こんな質問を子どもからされたら、驚きますね。すばらしい質問です。

 まずは鉛筆の芯は何でできているのでしょう?「黒鉛」ということは知っているでしょうか。炭素なのですが、炭と一緒ですね。炭も紙にこすると書けそうですよね。こすらなければならないので、紙との間にある程度の摩擦が必要です。鉛筆はつるつるなものには書きにくいですよね。ガラスとか、プラスチックなどです。紙も手で触るとつるつるですが、鉛筆の芯から見ると適度なでこぼこがあって、そのでこぼことこすれて、黒鉛がはがれます。それで書けるのです。

 話を広げると、黒鉛は炭素からできていますが、同様にダイヤモンドも炭素からできています。高校で学習する範囲でいうと、黒鉛とダイヤモンドは「同素体」であると言います。

 もう一つ話しを広げると、鉛筆に芯には電気が流れることは知っているでしょうか?金属と同様に黒鉛も電気が流れるのですが、その原理が大きく違います。簡単な原理は高校でも学習するのですが、詳しい原理は大学に行かないと勉強しません。

2.鉛筆はなぜ木なのか

 実はこの問いを思いついたとき、私は「木のぬくもりが鉛筆には大切だ」と考えました。シャープペンシルやボールペンなど、プラスチックや金属の製品とは明らかに一線を画す、木のぬくもりが鉛筆にはある、と思ったのです。

 それではなぜ、シャープペンシルやボールペンは木ではないのでしょうか。木の商品もあるかもしれませんが、文房具店の筆記用具売り場を見ると、鉛筆は木、ボールペンはプラスチックという明確な棲み分けが分かります。木の方がコストがかかるからでしょうか。

 それではなぜ鉛筆は木なのでしょうか。

 そう考えていると、ようやく気づきました。鉛筆が木でできているのは、木じゃなきゃ駄目だからです。恥ずかしながら、最初は気づきませんでした。

 鉛筆は削る必要があるのです。削る必要がなければプラスチックで良いのです。最近はシャープペンシルで、芯の太さが鉛筆くらいの商品が販売されています。結構売れているようですが、普通のシャープペンシルよりも芯がずっと太いので、ときどき芯を削らなければならないようです。専用の芯削り器が付いています。そこが手間なのか、一気に普及するという感じではないようです。

3.鉛筆はなぜ六角形なのか

 もともと鉛筆の断面は円形だったようです。円形だと机の上で転がって、机の下に落ちて芯が折れちゃいますね。そのような意味では、初めて六角形にした人はすごいですね。六角形にしたのは「ファーバーカステル社」であることが分かっています。現在もすばらしい鉛筆を作っています。

 六角形のメリットは他にもありますが、ぜひとも調べてみてください。子どもと一緒に調べてみるのも良いことです。デメリットもあるかもしれません。市場にあるのは圧倒的に六角形の鉛筆が多いということは、六角形のデメリットよりも、メリットの方が大きいからですね。

コメント

  1. […] 「『鉛筆』を科学的に見た3つの疑問」に書きましたが、鉛筆は紙の上に黒鉛が乗る形で字を書きます。乗っている黒鉛を擦り落とすのが消しゴムです。これに関しては、いろいろなサイトに原理が書かれているので、調べてみて下さい。 […]

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