![6t-1](https://www.rikagasuki.com/wp-content/uploads/2016/07/6t-1.png)
最初の空欄は、X線は紫外線より波長が長いか、短いか、を聞いているのね。これって覚えてなきゃダメなの?
そうだね。電磁波は、波長によっていくつか名前が付いているけど、おおよその名前は知っていた方が良いね。もちろん教科書にも載っているし、ネットで調べてもたくさんあるよ。
波長の長い方から並べると「電波→赤外線→可視光線→紫外線→X線→ガンマ線」となっていて、このくらいなら知ってても良いでしょ。
ということは、最初の空欄は「短い」で、次は「電磁波」ね。選択肢にある物質波って何だっけ?
そうだね。「物質波」は「ド・ブロイ波」とも言うんだけど、例えば光って、波だと思われていたけど、粒子だと考えないと上手く説明ができない現象が出てきたんだ。
聞いたことある。アインシュタインが関係しているんじゃなかったっけ?
よく知ってるね。現象としては「光電効果」だね。この「光電効果」をアインシュタインは「光は粒」と仮定することで上手く説明できることに気がついたんだ。詳しいことは調べてみてね。
「光電効果」とは逆に今まで粒子だと思っていたものが波の性質を持っている、って説明するときに「物質波」って使うんだ。例えば電子は粒子だと思われていたんだけど、波として考えると上手く説明できる現象が出てきて、電子も粒であり、波でもあるんだよ。
なかなか難しいけど、調べてみるわ。最後の空欄もよく分からないわ。
![6t-5](https://www.rikagasuki.com/wp-content/uploads/2016/07/6t-5.png)
このグラフの飛び出ている部分が、特性X線を表しているんだ。その他の部分を連続X線というけど、その最短の波長は加速電圧で決まるんだ。逆に最長の波長は決まらないんだね。
波長が短い方がエネルギーが大きいんだよ。つまり、エネルギーの最大値は熱電子をどれだけ加速させたかで決まるけど、最小値はどこまでもあり得るっていうことだよ。
![6t-6](https://www.rikagasuki.com/wp-content/uploads/2016/07/6t-6.png)
そうか、なんとなく分かったわ。最後の空欄は「最短の」が入るのね。
![6t-2](https://www.rikagasuki.com/wp-content/uploads/2016/07/6t-2.png)
ブラッグ反射って言うんだけど、図は薄膜干渉に似てるんだよね。
屈折がないので、ブラッグ反射の方が簡単なんだ。上の結晶面で反射したX線と下の結晶面で反射したX線で、経路差を求めたいんだ。
![6t-11](https://www.rikagasuki.com/wp-content/uploads/2016/07/6t-11.png)
これはさすがに簡単ね。左半分の赤い部分は、
![Rendered by QuickLaTeX.com d\sin \theta](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-7cf41a3eabc0e37a1071db54ced5ee66_l3.png)
だから、その2倍で
![Rendered by QuickLaTeX.com 2d\sin \theta](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-1a260a400b10feafc050433acc6d7741_l3.png)
ね。
その通り。あとはその経路差が波長の整数倍だと強くなるんだ。
![Rendered by QuickLaTeX.com $$2d\sin \theta = n\lambda$$](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-42d4284ef4e0c6eb34a75c7943d8dd8d_l3.png)
![6t-3](https://www.rikagasuki.com/wp-content/uploads/2016/07/6t-3.png)
![6t-4](https://www.rikagasuki.com/wp-content/uploads/2016/07/6t-4.png)
コンプトン効果の問題なんだけど、力学の分野でこの図と同じような感じでビリヤードの問題を見たことがないかな。
![6t-10](https://www.rikagasuki.com/wp-content/uploads/2016/07/6t-10.png)
静止している物体に、別の物体をぶつけるとこの図と同様に2つの物体が動くという問題ね。確か、運動量保存のところで出てきたような気がする。
その通り!問題のコンプトン効果は、X線の運動量を考えると上手く説明できるんだ。
運動量って
![Rendered by QuickLaTeX.com mv](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-cb89886929f35bf3a10449390c5edece_l3.png)
で表せるでしょ。質量×速度だね。X線って電磁波だから、質量なんて無いのに、運動量を考えるんだよ。
通常はそうだよ。だけどコンプトン効果ではX線の運動量を
![Rendered by QuickLaTeX.com \frac{h}{\lambda}](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-235f074324871baea4e008c594dcf4e2_l3.png)
と考えると上手く説明できるんだ。特に、最後の空欄にあるように、X線は電子にぶつかると波長が変化するんだよね。これは「X線は波」とだけ考えていると説明ができないんだ。
そういうものなのね。とにかくまず最初の空欄は
![Rendered by QuickLaTeX.com \frac{h}{\lambda '}](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-6029c48b34f128b6bad7fd915e8309f2_l3.png)
ね。つぎのエネルギーは?
この分野でエネルギーと言ったら
![Rendered by QuickLaTeX.com h\nu](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-ec856405da86f15f79e51a7b541f2536_l3.png)
かな?
分かってるじゃない!でも選択肢にないんだよね。それは
![Rendered by QuickLaTeX.com \nu](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-61c8c456cdb4d21615a67142131d8d1b_l3.png)
が与えられていないからだね。波のところで必ず使う式
![Rendered by QuickLaTeX.com v=f\lambda](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-ba56502f8a8edbd1d18e240d122533d4_l3.png)
をこの分野で使っている文字に置き換えるとどうなる?
![Rendered by QuickLaTeX.com $$c=\nu\lambda$$](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-968fbddc0317bf52dd64b43d05599018_l3.png)
![Rendered by QuickLaTeX.com $$E=h\times \frac{c}{\lambda '}$$](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-e181fbac0b48c05d679553207bedd93c_l3.png)
![Rendered by QuickLaTeX.com $$\therefore E=\frac{hc}{\lambda '}$$](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-7f273930e3e492c8e5a7b4b4d626c9bb_l3.png)
そうだね。ということは、答えは③か④に絞られたね。最後は電子にぶつかったあと、X線の波長は長くなるのか、短くなるのかだね。
X線が電子にぶつかると、X線のエネルギーは増えるかな?減るかな?
X線が電子にぶつかった結果、電子は運動エネルギーを得るから、X線はエネルギーを失うわよね。
エネルギーを失うということは、波長はどうなると思う?
エネルギーといえば、さっきの
![Rendered by QuickLaTeX.com E=h\nu](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-c785c7fd7ef9557327b48be6b75e09f9_l3.png)
よね。波長は関係ないけど・・・
またさっきの
![Rendered by QuickLaTeX.com c=\nu\lambda](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-1d496c14fc10b5cbcfc7099a4c8add2c_l3.png)
を使うと?
そうだった。
![Rendered by QuickLaTeX.com E=\frac{hc}{\lambda}](https://www.rikagasuki.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-5e22b5e6674ea8a00f9d44f6c2c58fa4_l3.png)
だからエネルギーは波長に反比例するのね。今はエネルギーを失うんだから、波長は長くなるっていうことね。