センター2017物理第3問B「熱力学第一法則とp-Vグラフ」

 

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■問題文から「単原子分子」を探せ

物理が苦手な文子
最初に内部エネルギーを求める問題ね。どうすればいいの?

物理が得意な秀樹
内部エネルギーについては,覚えておかなければならない重要なポイントが有るんだ。キーワードは「単原子分子」だよ。

物理が苦手な文子
「単原子分子」ってよく聞くけど…

物理が得意な秀樹
正確には「単原子分子理想気体」なんだけど,「理想気体とはみなさい」という場合はほとんど無いので,大切なのは「単原子分子」であるかどうかなんだ。まずは問題文に「単原子分子」という言葉を探そう。

物理が苦手な文子
この問題ではいきなり「単原子分子」と書いてあるわ。

物理が得意な秀樹
そうだね。もちろん「理想気体」とも書いてある。その場合,内部エネルギーが分かるんだ。

物理が苦手な文子
この式が使えるのね。問題文には物質量n,状態Aの温度T_0,気体定数Rとあるので,そのまま入れればいいの?

    $$U=\frac{3}{2}nRT_0$$

物理が得意な秀樹
つまり答えは③だね。

物理が苦手な文子
それだけでいいの?

物理が得意な秀樹
そうだよ。次にいこう。

 

■p-Vグラフからボイル・シャルルの法則へ

物理が苦手な文子
グラフから温度を読み取るしかないのよね。

物理が得意な秀樹
他に情報はないよね。分かりやすいように情報をまとめておこうか。

物理が苦手な文子
求めたい状態Bの温度をT_Bとしたのね。

物理が得意な秀樹
このあと,どうすればいいか分かるかな?

物理が苦手な文子
体積,圧力,温度の関係があるということは,「ボイル・シャルルの法則」かな?

物理が得意な秀樹
その通り!使うのはこんな関係だね。

物理が苦手な文子
ここに入れればいいのね。

状態A=状態B

    $$\frac{p_0V_0}{T_0}=\frac{2p_0V_0}{T_B}$$

    $$T_B=2T_0$$

物理が苦手な文子
つまり,状態Bの温度はT_0の2倍ね。

物理が得意な秀樹
正解!答えは④だね。最後に問5だ。

 

■熱力学第一法則は式と矢印の向きが大切

物理が苦手な文子
求めたいのは熱量なんだけど,どうすればいいの?

物理が得意な秀樹
この分野で熱量を求める問題の場合,まず考えるのは「熱力学第一法則」だね。

物理が苦手な文子
「熱力学第一法則」って,どうも苦手なのよ。

物理が得意な秀樹
確かに,熱が入ったのか出たのか,仕事をしたのかされたのか,内部エネルギーが増加したのか減少したのか,それぞれいろいろなパターンがあるからね。ポイントは,式と矢印の向きを一緒に覚えることだよ。

 

物理が苦手な文子
矢印の向きを考えると,気体に熱が加えられて,気体が外から仕事をされたら,内部エネルギーがその分だけ増加するっていうことね。

物理が得意な秀樹
そのように読み取れたら完璧だよ。あとは問題文を読んで,矢印の向きが逆だと,式にマイナスを付ければいいね。

■熱量の正負

物理が苦手な文子
まず,問題文には「放出する熱量」とあるわ。矢印の向きで考えると,さっきの図と逆ね。

物理が得意な秀樹
そうだね。ということは,Qにはマイナスが付くね。仕事の正負は問題文にはないので,グラフで考えるよ。

■仕事の正負

物理が苦手な文子
過程C→Aを考えるので,体積は減少しているわね。つまり,仕事の矢印の向きはさっきの図と同じね。

物理が得意な秀樹
仕事の符号はそのままでいいということだね。次は仕事の大きさを求めるんだけど,仕事を求めるときは,「定圧変化」であるかどうかが大切なんだ。

物理が苦手な文子
どうして?

物理が得意な秀樹
定圧変化だと使える式があるんだ。

物理が苦手な文子
「過程C→Aは定圧変化」と問題文にあるし,グラフからもその圧力はp_0で一定と読み取れるわ。

物理が得意な秀樹
そうだね。なので過程C→Aで気体が外からされた仕事はこうなるよ。

    \begin{eqnarray*}W&=&p_0 \times (2V_0-V_0)\\&=&p_0V_0\end{eqnarray*}

■内部エネルギーの増加量

物理が苦手な文子
なるほど。あとは内部エネルギーの増加量ね。

物理が得意な秀樹
内部エネルギーの増加量は,単原子分子理想気体の場合は,\displaystyle U=\frac{3}{2}nRTを変形すればいいんだ。

物理が苦手な文子
\Delta Tがあるので,温度がわからなきゃダメね。Aの温度はT_0でいいとして,Cの温度はボイル・シャルルの法則で求めるの?

物理が得意な秀樹
そんなことしなくても,「過程B→Cは等温変化」って問題に書いてあるでしょ。

物理が苦手な文子
そうか,ということはBの温度はさっき求めた2T_0だから,Cの温度も2T_0ね。

物理が得意な秀樹
そういうことだね。

物理が苦手な文子
温度はわかったけど,\Delta Tはどっちの温度からどっちの温度を引けばいいの?

物理が得意な秀樹
「変化量」とか「増加量」という場合は,「あとの量からまえの量を引く」んだ。

物理が苦手な文子
ということは,過程C→Aを考えているんだから,Aの温度からCの温度を引くね。

    \begin{eqnarray*}\Delta U&=&\frac{3}{2}nR\Delta T\\&=&\frac{3}{2}nR(T_0-2T_0)\\&=&-\frac{3}{2}nRT_0\end{eqnarray*}

物理が苦手な文子
マイナスになっちゃうけといいの?

物理が得意な秀樹
いいんだよ。増加量がマイナス,ということは内部エネルギーは減少したっていうことだよね。つまり温度が下がったということだ。それでは熱力学第一法則を考えてみるよ。

物理が苦手な文子
いろいろあったので,まとめてみるわ。まずは熱力学第一法則の式のQがマイナスになるので,

    $$\Delta U=-Q+W$$

    $$Q=W-\Delta U$$

物理が苦手な文子
ここに,求めたW\Delta Uを入れると,

    \begin{eqnarray*}Q&=&p_0V_0-(-\frac{3}{2}nRT_0)\\&=&p_0V_0+\frac{3}{2}nRT_0\end{eqnarray*}

物理が得意な秀樹
合ってるよ。

物理が苦手な文子
でも求めたいのは,このQnRT_0の何倍か,ということよ。p_0V_0が邪魔だわ。

■理想気体の状態方程式

物理が得意な秀樹
そうだね。でも気が付かないかな。pVが使えなくて,nRTで表したいんだよ。

物理が苦手な文子
あっそうか,理想気体の状態方程式ね。

物理が得意な秀樹
この理想気体の状態方程式は,グラフのA,B,Cのどの点でも成り立つんだ。

物理が苦手な文子
どの点で式を立ててもいいということね。

物理が得意な秀樹
もちろん,どこでもいいんだ。一番シンプル式が立てられそうなのはAだよね。Aで式を立ててみると,

    $$p_0V_0=nRT_0$$

物理が苦手な文子
そのままじゃやない!

物理が得意な秀樹
そうだね。話を戻すとQはどうなるかな?

物理が苦手な文子
あとは簡単ね。

    \begin{eqnarray*}Q&=&p_0V_0+\frac{3}{2}nRT_0\\&=&nRT_0+\frac{3}{2}nRT_0\\&=&\frac{5}{2}nRT_0\end{eqnarray*}

物理が得意な秀樹
つまり答えは⑥だね。

 

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